第1章 SSRって、何?

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「たっくんのくせに、香澄をいじめるなんて生意気だよ」  そこで助け(?)に入ったのは、自称香澄の運命の相手。そう。あくまで自称だと、拓人は無理やり認識していた。 「これのどこがいじめてんのよ!ていうか、元々はあんたが、ゾンビのように私の家に来るから、こんなことになってんでしょうが!」 「えっ、どういうことですか?」  香澄にとって、涼が拓人に家にいつの間に行っていたことが驚きだった。  拓人は、涼に見せつけるようなため息をついた。 「あんたが仕事を受けてるそのゲームのキャラに嫉妬しまくったこいつが、愚痴りにきたのよ」 「ぐ、愚痴ですか!?」  涼には決して似合わない言葉は、香澄をまたもや驚かせた。 「人聞きの悪いこと言わないでくれるかな」 「何よ、香澄が〜こいつらばかり気にするなんて許せない〜って泣きついてきたのはどこのどいつよ!」 「それはたっくんの勘違いじゃないかな」 「はあ!?何よ何よ!せっかく……あんたのためなんかじゃないけど……調べてきてあげたってのにその言い草は!」 「それだけは評価してあげるよ。ということで香澄」  涼は、香澄の手をとり、そっと握った。  それは、真実を話すまで、この場から香澄を逃さないという涼の決意の表れでもあった。 「教えてくれるかな?僕は弁護士だからちゃんと真実を知りたいんだ」 「……それ……は…………」  涼は、さらにぎゅっと手に力を込める。 「ね、お願い」  涼の、低く響く優しい声に、香澄の心のバリアが勝手に解かれてしまった。  でも。 「私、出産後に涼先生に嫌われたくないんです」  香澄の最初の告白文は、涼だけでなく拓人にとっても、全くの想定外だった。
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