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「僕が……君を嫌う……?」
あまりにも、現実味がない言葉すぎて、ちゃんとまともに働けば最新コンピューター並みの性能を持つ涼の脳みそが、まさに今フリーズした。
「はい」
「…………」
「…………先生?」
「はいストップ!」
じーっと突っ立ってるだけの涼にしびれを切らした拓人が、2人の間に割って入った。
「香澄、今の今まで、こいつの何見てた?」
「ええと……」
「あんたのことが好きすぎるっていう、私からすると迷惑極まりないことになってるから、こうなってるんでしょう!?二次元に嫉妬して大暴れ」
「そ、それはそうなんですけど……でも……」
「でも?何よ」
「…………ネットで、見たんです」
ネット、という言葉に拓人と涼は少々嫌な予感がした。
「何を、かしら?」
「出産後の……その……奥さんを…………」
香澄は涼の顔を見ないようにさっと拓人に近づき、耳打ちした。
「はあ!?出産後の女の体見て男が萎えたからレスになった事例が続出してるから、せめて出産後に体型を戻しやすくするためにエステに通いたい!?」
「なんで大声で言っちゃうんですか!」
香澄は恥ずかしさのあまり、消えてしまいたくなった。
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