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「ねえ、香澄。僕はね……君の目に映る僕以外のものは全て消したいと本気で思ってるよ」
「え?」
急な話の入りは、香澄を動揺させた。
「立花潤だかカミーユだかなんだか知らないけれど、何度君の目の前であいつらの顔を消してやりたいと思ったことかわからないし」
「え?ちょっ?」
「何だったら、それを生み出した会社の不正を暴き出して、こっそり倒産手続きまでしてやろうかと思ったよ」
「……それは流石にまずいのでは?」
「法の抜け道なんて、僕はいくらでも知ってるからね」
「それ、弁護士が言っていいんですか?」
「確かに僕は弁護士だ。でもね香澄。君の前では常識も理性も無くしてしまう、ただの男なんだよ。世間の目も、仕事の地位も何もかも気にしていられないくらい、僕は君に夢中なんだ」
「世間の目…………」
そう言われて、香澄はちらと、涼に着せてしまったTシャツを見た。
確かに、世間の目を気にしていたら、このTシャツをペアルックしたいという理由だけで着ることはないだろう。
「君を安心させるためには、どれだけ僕が君の周りに嫉妬してるか、行動で示さないといけないの……かな?」
「と、言いますと……?」
香澄が尋ねると、涼は香澄の耳たぶにキスをしてから、耳元でこう囁いた。
「君のスマホに入ってるゲームの男を全てこの世から抹消する……とかね」
「まさか、そんなことできるはず」
「試してみようか?君への愛を証明するためだったら、僕はどんなことでもするって見せてあげないと、君は分かってくれないようだから……ね」
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