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そう言ったかと思うと、涼は再びスマホを操作し始めた。
わざと、香澄に画面を見せながら。
そこに表示されていたのは……。
『今から言う企業の黒いところがないか探せ。』
の文字から始まり、立花潤というキャラクターが出てくるゲームを作っている会社……という文字が次々と打ち込まれていた。
「りょ、涼先生!?まさかこのメッセージを送る相手って……」
「さすが僕の香澄だね。そうだよ。彼さ」
その言葉で、もう香澄は分かってしまった。
涼が自分を見つけようとした時に使った手法……つまり、探偵だ。
「黒いところって、どういうことですか?」
「言葉の通りだよ。こういう企業にはね、必ず後ろ暗いところが1つや2つ、絶対あるものなんだよ。それは脱税かもしれないし……労働基準法違法とかも十分やってそうだよね……」
「そ、それを突き止めてどうするんですか?」
「ん?社会的に抹殺する」
何故、そんな言葉を美しすぎる微笑みと共に吐けるのか。
「あ、あの……さすがにそれはやりすぎでは」
「まさか香澄、あいつらの肩を持つの?」
「そ、そんなことはないですけど……」
「なら、いいよね」
「え」
「そうと決まれば善は急げ。僕と香澄の時間の邪魔をするものがどうなるか……見せしめに教えてあげないとね」
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