第1章 SSRって、何?

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「あのさーたっくん」  そう言うなり、涼は香澄を抱き寄せて、香澄がきちんと拓人の画面に映るようにした。 「ちょっ、涼先生!」 「どう?僕たちのペアルック」 「さっきも見せられたわよ!わざわざそんなものを見せるために、このクソ忙しい時にビデオ通話なんかよこしてきたの!?」 「それもあるけど」 「あるんか!!!」 「明日の香澄のスケジュール、丸々僕がもらうけど、文句ないよね」  涼がそう言うと、拓人の怒鳴り声がぴたりと止んだ。 「…………何、たくらんでるわけ?」 「ん?香澄のさっきの不安解消のためさ。たっくんだって…………困るだろう?」  困るだろう、の言い回しに何か含みがあることは香澄でも分かったが、その意図が分かるほど、香澄はまだ涼の深い部分は知らなかった。  しばらく無言が続いたが、拓人の低い声が漏れる程の嫌そうなため息が聞こえてから、嫌そうにこう言った。 「…………香澄とお腹の赤ちゃんに何かあったら、マジ殺す」 「僕に限って、そんなことをするわけないじゃないか」 「あんただから心配なんじゃない!」  そんなこんなで、拓人からの了承を得た香澄は、急遽次の日完全オフになったのであった……。
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