第1章 SSRって、何?

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 久しぶりに、2人で眠るために使っている和室で、がっしりと涼に抱きしめられたまま眠った香澄は、気持ちよく目覚めることができた。  目覚めてすぐ、綺麗すぎる涼の顔を目にすることは、まだ慣れない香澄であったが。 「っ!!!!」  まつ毛が女の自分よりもずっと長い涼の寝顔は、彫刻のように美しい。  そんなものを見たら、ライターとしてはこう思ってしまうのである。 (こ、この美しさを言語化して残したい……)  だが、近くには残念ながら書き記せるペンも紙もなかった。 (なんとか、部屋に戻ってこの感動を記したい……!)  そう思いながらも、涼の自分を抱きしめる力が強く、なかなか抜け出せそうにない。  ぐっすり眠っている涼を、自分のせいで起こしてしまうのは忍びない。  でも、この美しさをどうにか残しておきたい。   「やっぱり、残す方が大事」  そう決心して、身じろぎをした時だった。 「ダメだよ香澄」  その声と共に、涼の腕がさらに強くなる。 「残す方じゃなくて、君が残る方が大事だから」  そう言うなり、涼は香澄にキスを数回してから 「おはよう」  と言った。 
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