第1章 SSRって、何?

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 涼の熱に触れた自分の顔の熱も、同じか……もしくはそれ以上の温度になった気が、香澄はした。 「あ、あの……」  別に初めて触れるわけではないのだけれど、やはり体の本能レベルでドキマギしてしまう香澄だった。 「ね、分かった?僕がどれだけ君が欲しくて欲しくてたまらないかってこと。それなのに……」  優しく穏やかだった涼の目が、ここですっと細くなった。 「君は、僕の想いを疑っただけじゃなくて、僕以外の男に目を向けるなんて……どれだけ君は僕の心を抉れば気が済むのかな?」 「え、えぐ……え?」 「僕は、こんなに君のことしか見ていないのに、たかだかスマホの中の男どもに君を取られてたまるか」 「ちょ、ちょっと待ってください!」 「何?」 「涼先生って…………例えば、なんですけど、ヘローミティとかってどう思います?」 「ヘロー……え?」  それは、巷で大人気の猫のキャラクターの名前。子供向けの商品グッズでは特によく使われている。  この著作権侵害や盗作に関する裁判経験がある涼は、よーくこのキャラクターの会社のことは知っていたが、何故このタイミングでその名前がでるのか、理解に苦しんだ。 「それ、僕たちに関係あるの?」  涼が尋ねると、香澄は大きく頷きながら 「このキャラクターは、可愛いですよね」  と言った。  この言葉が、どうして自分たちの愛の時間に関係するのか、涼にはまっっったく、わからなかった。
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