第1章 SSRって、何?

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「まあ……そうだね……可愛いとは、思う、けど……」  涼自身は、香澄以外の存在を可愛いと思ったことはないが、香澄が期待している答えを言った。  その結果、香澄が見せてくれた「やっぱりそうですよね」と言いたげな表情は、可愛くて撫で回したくなった。 「涼先生、それではですね……スマホを貸していただけませんか?」 「え?」 「お願いします。私のスマホはここにはないみたいなので」  その理由は涼が、香澄を寝かしつけた後にしっかり取り上げて、香澄の仕事部屋の奥の方にしまい込んだからだったりする。  とは言え、とても可愛い可愛い香澄の頼みでも、自分のスマホを香澄に見せるのは躊躇われた。  何故なら、香澄とのことを悩んだ結果の、山のような検索履歴や、こっそりと盗撮した香澄の寝顔が大量に収められているから。 「……今、必要?」 「できれば。もしくは私のスマホを」 「いや、ちょっと待って」  せっかく、今香澄が自分の腕の中で大人しく自分だけを見てくれているのに、ここで香澄のスマホの場所を教えてしまえば、また香澄は視線を液晶に向けてしまう。  それは、今は嫌だと思った涼だった。  涼は、普段滅多に使わないシークレットモードのブラウザを出してから香澄にスマホを渡した。  これなら、自分の検索ワードが見られることはないと思ったから。 「ありがとうございます」  香澄はそのまま、急いで何か文字を打ち込んだかと思うと 「これも、可愛いですよね」  と画面を見せてきたのだが……。 「香澄?これ?」 「はい。可愛いと、思いません?」  香澄が出してきたのは、胸とお尻が大きめで、ウエストが不自然に細い……でも顔が幼く描かれた水着姿の女性のイラストだった。
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