第1章 SSRって、何?

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「香澄?これは……何かな」 「最近、男性の間で人気のアプリゲームのキャラクターです。この女の子はアイドルで、プレイヤーが育てていくんです」 「へえ……そうなんだ……」  本当は、全くもって興味がないのだが、香澄がじーっと自分の反応を伺っているので、クライアントの話への相槌の1.5倍くらいが大きくリアクションをしてみた。  ぱあっと、香澄の表情が明るくはなったので、その対応が正解だったのだろうと、涼は顔には出ないように笑顔の仮面を貼り付け、心の中でほっと安心した。 「ちなみに、私の推しキャラでもあるんですね。各務もえこたんって言います」 「…………え?」 「ガチャをして、出てきたカードのお洋服を着せて、アイドルとしてのスコアをアップさせながら、音ゲーでポイントも稼いでいくっていうゲームなんですけどね」 「ちょ、ちょっと待って香澄」  いきなり飛び出てきた香澄の説明に、涼の頭が置いてけぼりになった。 「話を、整理させてもらっても良いかな」 「はい」 「君は…………男だけじゃ、ないの?こういうその……イラストが好きなのって」 「推しは性別も生物も超えます。あ、あともう1人このゲームには推しがおりまして、その子もぜひ涼先生に紹介させてもらっても」 「……え?」
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