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「ウソだ。美桜、足ふらついてんじゃん。しょうがねえなあ。まだ十時過ぎだって」
アップルウォッチで確認してから私の肩を引き寄せ、きわどく密着する。
粘ついた体温と湿気がスーツの内側からジワリと滲み出る。
「俺の家行こ……」
「……うん。でも──」
だからね。タイミングが大事。
「でも?」
顔を覗き込んで優しげに問いながら、瞳の奥は笑ってないし手は逃さないよって締め付けてくる。
思わず溢れちゃった。
股間に当てたナプキンは三日目の経血を吸って湿ってる。
だけど女子にとっては日常で、その存在感はオトコの欲に刺激され復活しただけ。
彼の誘いも予想内。
でも、さっきまで忘れてた。
ううん、少し嘘。
ターンオーバーでツヤツヤになろうとしてる子宮は、会話の最中も密やかに収縮してた。
オトコの欲望が高まる気配にオンナがざわついてくる。
だって忘れてるけど、私達は獣だから。
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