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「イイ? 美桜! 俺は凄くイイよ」
傘を伝う雨のように汗が滴ってくる。
互いの汗と液でぬめぬめしてミミズみたいに絡まって。
人であることも、放りっぱなしのナプキン付きのショーツのことも、だんだん剥がれて流れていってしまう。
高速の突き上げで身体がズレないようにモト君の背中にしがみつく。
イッた後、しばらく天国の雲の上にいた。
彼もすっかり賢者タイムでニルヴァーナの境地を浮遊してる。
「大丈夫だった? 血出てるけど痛くなかった?」
「痛くないよ」
生理痛はそういう痛みじゃないって。
「よかった。ホントは美桜なら抱き合ってるだけで満たされるんだけどね。結局は身体じゃなくて心の繋がりが大事と思ってるから」
煩悩が去ったとたんにモト君は本物の賢者のように語り出す。
セックス前後でまるで別人なのは、嘘つきなんじゃなくて死ぬほど自分に正直だからなのかな。
正直こそ良かれ、なら欲望に正直な方が神様に褒めてもらえるはず。
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