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❨あと、もう少しだ❩
パソコンから離れ
おもいっきり背伸びする
椅子から立ち上がり
部屋の外に出る
❨コーヒー飲もう❩
自販機のある階にいくため
エレベーターに乗る
止まりかけた扉に
誰かが手をかけて
飛び乗ってきた
「あっ…」
その人は私の彼
なんだけど
ただいま喧嘩中
おもわず後退りして
一番奥の壁にへばりつく
彼も黙ったまま
背中を向けている
エレベーターの端と端
❨だって喧嘩の原因は
彼の浮気だから…❩
暫く沈黙が続く
❨早くつかないかな…❩
そんなことを思っていたら
背中に視線を感じた
気になって振り向くと
彼が私の方に向きを変え
じっと見つめていた
おもわず目が会った
そして彼の唇が動きかけた
そのとき…
「えっ…?」
二人同時に声をあげる
だってエレベーターが
急に止まったかとおもうと
照明が消え真っ暗になった
暗闇が怖くて
壁にへばりつき
座りこんでしまった
「大丈夫か?」
彼の声が響く
「なに…?
どうしたの?」
私はまだ何が起こったか
わからずパニックになる
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