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そのとき一筋の灯りが
私を照らした
彼のスマホのライトだ
「一体どうしちゃったの?」
おもわず彼に聞いた
彼が近づいてきて
ライトが光っている
スマホを私に手渡した
「正面照らしてくれる?」
彼に言われライトを向ける
「もう少し右側」
言われた通りにすると
エレベーターのボタンが
灯りのに照らされ見えた
彼がボタンの前に立ち押す
各階のボタン
ドアの開閉ボタン
緊急時のボタン
「だめだ…
どれも反応しない」
彼が呟く
「なにが起こったの?」
おもわず彼に訊ねる
「俺にもわからないよ
でも、電気系統が動かない
ってことは停電なのかなぁ」
「停電…?」
「すぐに動くと思うけど」
沈黙の中
動かずに待つ二人
どのくらいの時間が
過ぎたのだろうか
彼が私の方に近づく
「やだ、来ないで!」
両手を振る私、灯りが暗闇の
エレベーターを左右に照らす
「スマホ
俺のなんだけど…」
「あっ…」
手に持っているスマホを見る
彼が手を差し出しす
スマホを彼に手渡した
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