0人が本棚に入れています
本棚に追加
私の目を真っ直ぐ見て言った
暗闇に目が慣れたのか
彼の顔の表情がわかる
そして彼が手を握ってきた
エレベーターの壁に並び
手を握り合い一本づつ
指を絡める彼の温かさが
絡んだ指から伝わってきた
暗闇なのに安心できた
お互いに顔を見つめ合う
息がかかるぐらいの距離
胸のドキドキが大きくなる
暫く手を握り合っていた
彼がスマホの時間を見る
「あれから30分過ぎたよ」
なかなか動かないエレベーター
「でも、よかった」
私が彼を見てそう言った
「何が?」
「もし一人だったら
凄く怖かったと思うから」
そう言って彼に
優しく笑いかける
その笑顔を見て
彼が彼女の肩を抱く
彼の胸の中にすっぽりと
収まる彼女の身体
最初のコメントを投稿しよう!