無気力タルト

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「おまえ、名札、つけっぱなしで受験に行ったのか」 彼との思い出は色々ある。けれど、一番印象に残っているのは中学生の時の高校受験の思い出、名札をつけっぱなしで、受験に臨んだのだ。 「馬鹿過ぎ」 彼はそう言うと名札を反対向きにつけ直してくれた。 それから私は自分の知能が少し遅れてることを知っていくことになる。 漢字がまず書けない。 書こうとすると、ぼやけた絵のようになる。覚えているようで覚えていない。 行きたい高校は思いの外、難しく、教師からも無理だろうと思われていた。母親からは行ける高校は無いのでは無いかと心配されたほどだ。しかし、そんな私でも特技があり、絵が描けた。 なので高校も芸術コースのある高校を選び、実技試験にかけたのだ。 その狙いは当たり、見事合格。私は芸術コースのある高校に入学した。 それからと言うもの、3年間色々なことがあった。 私は高校デビューというものに憧れを抱いていて、コンタクトにし、ケープで髪を逆立ててふんわりともり、天然パーマだったため、見かけはとても可愛いらしくなった。 これなら中学3年間あまり友達の少なかった私にも友達というものができるだろうと考えたが、甘かった。
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