無気力タルト

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「ご飯美味しそう」 「手作り?」 「うん、自分で作ったの」 「えらいじゃん」 ギャルの子達は瑞穂と葵と言う名前だった。 瑞穂はキレイな茶色の髪をしていて、葵は私みたいに髪の毛をケープでふんわりもっていた。持っていたブランドもののバックが目に入る。 「バーバーリーのバック可愛いね」 葵に言うと 「でしょ、入学祝いに買ってもらったんだ」 と得意げに鞄をなでた。 瑞穂も葵も少し周りから浮いていた。周りから浮くイコール不良という立ち位置なのだと思う。 私もそう見えているのかなと考えた。 髪はパーマをかけているように見えるのかもしれない。 人は自分の思う可愛いを貫くと、周りからどうしても浮いてしまう事を知った。 「ピンピンって天パ?」 葵が聞いてきた。 「ピンピン?ってなに?」 「前髪にカラフルなピンしてるから」 「ああ、そっか」 「今日からピンピンね」 と瑞穂がいった。 あだ名を付けられるのは自分たちより下の立ち位置で人間関係を固定したいのだろうと、いわゆるパシリポジションにしたいのかなと深く考えたが、仕方ないので 「分かった、よろしくね」 と返事をした。
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