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時刻は午後六時。授業も大抵の教師の業務も終わり、静まり返ってしまったこの学校で、また時が動く・・・
「これで全員ね・・・」
色っぽい女の声が聞こえる。
「てかさ、何でシシは今日の会議来なかったの?アタシと杏奈ちゃん待ってたんだよ。」
威圧感のある女の声が聞こえる。
「いじめられてたんだから仕方ないだろ・・・あの状況から抜け出すわけにも行かないし。」
小さな声で男が答え、舌打ちをした。そして、
「というか、愛海花があんな事言うから悪いんだよ。」
と続けた。
「そんなの知らないじゃん。凌矢があれの標的になるから悪いのよ。あんなのにも耐えられないのなら、マネ、外しちゃおうかな?」
明るい声で、女が答えた。
男はより小さな声で、わかったよ、と言い捨て、煙草を咥えた。
「まあまあまあ!」
三人を取り締まるように手を叩いた女は、じゃあ・・・、と続けた。
「今日も、一仕事、やっちゃいますか!」
四人は日が暮れた街灯もない暗黒の中、光を求めて歩き始めた。
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