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蒼暁の身体は小さな雷の粒子へと変わっていく。それを最後まで見届けたいと風美は白雪に言う。
「わかった。」
白雪は雪を風美の傍に置いたまま第三部隊を殲滅する為に踵を返して戦いに戻った。
「こちら第三部隊。中将補佐の蒼暁様が討ち取られました。」
蒼暁の戦没した事を他の部隊に報告。
討ち取った相手は北の愛姫と裏切り者の第五姫の元侍女。
蒼暁をその二人に討たれた事は他の部隊にとっても大きな衝撃だったであろう。
「第四部隊。すぐそちらに向かいます。」
その間、愛姫を逃さないように持ちこたえて欲しいと要請。
「蒼暁。殺られたんだって?」
応援に向かう第四部隊の最後尾にいる兵の耳にある人物の話しかける声が聞こえた。
「・・・錦様・・。」
なぜこんな所にと話しかけられた兵は驚いて足を止めた。
黄丹の無造作の髪。桃染の肌、有隣目が木の上から兵を見ながらニンマリ笑う。
「僕が質問してるのに無視するんだ。」
その身体締め上げようかと錦と呼ばれる男は笑ったまま聞いてくる。
「も、申し訳ございません!」
その言葉に恐怖し直ぐに片膝を地につけて謝罪した後に兵は錦に蒼暁の死について報告をする。
「・・・ふぅん。」
スルスルと木から降りてくる錦は下半身は大蛇の姿をしていた。
「殺ったのは愛姫と風美という裏切り者だったね。」
「は・・・はい。」
兵の答えに錦はニヤァッと不気味に口角を上げ何かを企んだ顔をした。
「報告ありがとうね。行っていいよ。」
そう言い錦はスゥー・・・と影に隠れ消えた。
先程まで木のそばに居たはずなのに形跡すらない。
一体どこに消えたのだろうかと兵は辺りを見渡すが錦の姿を見つける事は出来なかった。
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