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「っ焔!!」  風美の声に反応するが一歩遅れた。  しかし、それよりも先に風美が動く。  風美に突き飛ばされていなければ焔が負傷していただろう。 「グ・・ア"ッ!」  風美の肩と背中に二本の矢が刺さった。 「風美っ!!」  その場に倒れ込んだ風美に焔は駆け寄るが、追尾の矢が彼を狙い飛んでくる。  それをドンッと白雪が出した氷壁が盾になる。 「白雪!」 「少しの間見張ってて。」  白雪が風美の傍により背中から着物を破り傷を診る。運良く急所は外れており命に別状は無い様だ。  短い矢を見る限り風美の作り出した木偶が使っていた洋弓銃。何故、風美の木偶が持っていた武器が風美を刺したのか。    そんな事は一目瞭然だった。爆発での煙で見失った蒼暁が木偶から洋弓銃を奪い、焔を狙った。それを庇った風美が撃たれたのだ。    現に蒼暁は片手に洋弓銃を持ち、木偶の頭を足で踏んづけている。片手でも使える得物だから蒼暁はその洋弓銃を使ったのだろう。  蒼暁の左肩は血にまみれ左腕は下に下げている状態だ。 「雹・霰・霜。」  白雪が四氷を召喚。  焔の加勢をする様に白雪が命じ 「雪。」  唯一残った雪に風美の治療の手助けを指示する 「蒼暁様。」  13名の第三部隊が蒼暁の元へと到着した。 「遅い。何してたの?」 「申し訳ありません。少しやっかいな者達がやって来て・・・。」  手こずってはいたが部下の一人が報告。  きっと白雪と共にやってきた波浪達のことを言っていたのだろう。
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