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 氷によって動きを止めようとするも、男が白雪の腹部に蹴りを入れる。蹴られた後に倒れそうになるのを堪えた白雪は後足を踏ん張り横一文字に刀を振るう。男は驚きつつもそれを紙一重に避けた。 「!!」  男との戦いに横から蒼暁が割り込んでくる。  風美の木偶から奪った洋弓銃に電気を流し飛ばしてくるのを氷壁で受け止めた。  電気の流れた矢が氷壁に刺さるとバチバチと壁に激しく電流が流れる。  感電した壁は耐え切れず砕け、その破片が刃となり蒼暁達を襲うが電気により氷は粉々になった。 「主!」  霜が飛んできて姿を変える。  片手で持てる小型の銃になると白雪が掴み構え狙いを定めた。  蒼暁と土を操る男に向かって引き金を引くとダーンッと銃声が数回なる。見た事のない得体の知れない物体に警戒した男は岩壁を作り出し、蒼暁と自分を守った。  しかし、白雪が狙ったのは二人だけではない。数回のうちの銃弾は蒼暁と男の後ろにいた霰と戦っていた兵の一人の後頭部に見事に撃ち込まれた。  撃たれた兵の後頭部は氷が張られる。銃弾とその張り付いた氷は霜の一部。  白雪が氷糸を出して撃たれた兵の身体を操り霜が脳に命令を下す。 「!?」  両拳を炎に包ませた操られた兵が岩壁を叩き割り己の上司とその仲間に攻撃する。  目の焦点が合わずに仲間を攻撃するなんて気が狂ったか操られているかのどちらかであろう。  操られた部下の腕を蒼暁は叩き斬った。  それでも尚、動きを止める様子はなく口を大きく開けた兵はガチッと自身の歯強く噛んだ。  噛んだ奥の歯にあるのは体内に内蔵された爆弾の起爆装置。  
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