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壱
闇神とその部下である斬火と対面した後、御所の最奥部に向かった雷煉率いる雷軍との通信が取れない事で翠達は彼らの元へと向かう。
「!?」
御所のあらゆる所で地響き、爆発音が鳴る。悲鳴や血の臭いがあちらこちらで感じられた。
北の内戦。
闇神から送り込まれた軍が元西の御所の収容施設の破壊・裏切り者達の粛清を始めたということだろう。
手間が省けるが、巻き込まれてしまう問題が出来た。しかも送り込んだのは北の陸軍第一と二部隊だろう。
「っ危ない!!」
バッと凱楽が手を差し伸べ岩壁を作り出す。壁の向こう側からは金属音がけたたましくなり続ける。暫くすればこの岩壁も破壊されてしまうだろう。
そうなる前に早く三人はその場から離れる。
「・・・・・・いや、退けよ!!」
肩に担いだままだった凱楽を床に投げ捨てる。毒消しが効いているのならもう担ぐ必要はない。
まだ完全に回復しきれていない凱楽はララに「某、怪我人ですよ!」と、訴える。
「毒消しも持ってきてねぇテメェの落ち度だろうが!」
そもそもそんな大声が出るなら自分で歩けといわれぐうの音も出ない。
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