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「結界が破れる!全員空へと飛ばせ!!」
一方で第四部隊は結界が破られる前に風を使い空へと避難する。しかし、逃げ遅れた何人かの兵は炎に巻かれ被害が及んでしまった。
「クソッ!あの犬と造形物が・・・っ!」
空に避難した第四部隊は下にいる焔と霰に向け武器を向ける。
神力の種別は関係ない総攻撃。
焔や霰だけではない。里にいる敵味方関係なく全員を巻き込んで自然災害を引き起こす程の神力を集め山林全体を破壊しようと力をため出した。
「いやいや、流石に下界まで被害及ばすのはご法度でしょ?」
後ろから聞こえた陽気な声。自分達の隊の者ではないと直ぐに分かったが・・・。
「ー・・・。」
音が聞こえたのは風の吹く音のみだった。
振り返る暇もなく
第四部隊約十五名全員の首が地に落ちた。
相手はたったの七名の風使い。
「風軍は速さと切れ味重視なのさ。」
空を自由に飛びながら彼は下を見下ろし戦う彼女達を見つめる。
「・・・風軍は集合し、イードル殿達と合流して北の残りを始末しろ。」
ここはもう安心だろうと思い、自分以外の風軍は戦っている仲間の元へ向かう。
下に降りて驚いている焔に「よっ。」と、軽い挨拶をする。
「詩雲殿・・・。」
「風軍と海兵、それと調査兵が来てる。・・よく持ちこたえたな。」
形成は逆転しつつある。詩雲がそう言うと焔は安堵の表情をうかべた。
「まぁ、白雪様を罵った事に対してここに来ている南全員がお前をフルボッコにするって言ってたけどな。」
「・・・・・・・・・。」
置き去りにされた翠が発言者と聞いて己の伏線が後から回収される事だけはわかった。
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