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「【胆礬】!」
火ノ神の家臣の一人。
深く渋い青緑色の髪の草神。追い詰められて絶望的な状態の中、突然現れた見知らぬ神人達が加勢してくれて難を逃れたとの事。
彼らがいなければ天狗の里は終わっていただろうと胆礬は話す。
「貴方達が俺らを助けてくれたんですね。心から感謝を申し上げます。」
胆礬は白雪達に深々と頭を下げ礼を言う。
「礼には及ばねぇよ。周りの奴らが反対してもアンタらを助けたいって言ってここに来たのはうちの姫様だ。」
他の奴等は焔をタコ殴りにする為に着いてきただけである。
「貴女が?感謝し・・・。」
笑顔だった胆礬が白雪を見て言葉を止めた。全身が真白く神秘的な姿とは別にその顔が誰かに似ていたからだ。
「・・・・・・。」
きっと胆礬は気付いている。
白雪が何者なのか・・・。
「結婚して下さい。」
ポンっと出したのは波斯菊の花束。
花言葉は【一目惚れ】である。
とりあえず焔と詩雲が胆礬の腹部に拳を入れた。その場で倒れた胆礬に追い討ちをかけるように踏みつけまくる。
「・・・ふぇ?」
仇の娘が目の前にいる事で責められる覚悟をしていた白雪はぽかんとしていた。
「テメェ、何うちの大事な姫様口説こうとしてんだゴルァ!」
詩雲の怒号が狼藉者のソレ。
「馬鹿なの!?お前馬鹿なの!?!」
戦地になった天狗の里で求婚するなと焔がブチギレる。
「我らの主に近付くな胆嚢野郎。」
シレッと雹までもが参戦している。と、言うより悪口が斬新すぎる。
「求婚するなら千本の薔薇くらい出せばいいのに。」
ボソリと花神は言うが、千本の薔薇の花言葉は【一万年の愛を誓う】。
流石に重たすぎだ。
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