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己の身体に極限まで電流を流し、前後にいる己を貫く兵を感電させる。電流の火花と共に部下の身体は段々と薄くなり消えていく。
後は雷煉に託し、北の二人の兵と共に彼は消滅してしまった。
「・・・クッ!」
戦場で仲間の命が消えるのはおかしい事ではない。ただ、今は悲しむ余裕なんてない。
次から次へとやってくる敵に残り二人で戦わなくてはならない。もし、ここで自分達が死ねばその場にいる西の民達もきっと殺されてしまうだろう。
「雷煉殿ぉおおぉ!!」
少し遠くから凱楽の声が聞こえた気がする。
こんな炎に包まれた場所で遂に幻聴が聞こえてきたのかと思った次の瞬間・・・。
「オ"ォオ"オ"オォォォォオ"!!」
大きな雄叫びと共に巨剣が燃える部屋を破壊していく。
「・・・バカデカすぎだろ。」
巨大すぎて攻撃の範囲が広すぎると雷煉は呟く。そして目の前に現れたのは。
「大丈夫!?」
「よぉ。」
水神の娘と己のクソ上司だった。
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