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 凱楽が戦っている間に翠は雷煉の左腕を診る。  火傷は第三度と言う程度ではない。 「何これ?お前の腕見事にウェルダンじゃねぇか。」  中までしっかり上手に焼けているではない。  食うかと皮肉った笑みで言うララに「少しは心配しろよ変態上司。」と、雷煉が憎まれ口を叩く。  思ったよりも元気そうだ。 「ここまで焦げてりゃ翠でも無理だなァ。」  完全に機能がなくなった腕は水の神力でも効果はない。時間も大分経ってしまっている所為でララの巻き戻しも意味が無いだろう。 「んな腕さっさと捨てろ。」 「・・・分かりました。」  そう言って何も躊躇もなく雷煉はスパッと自らの左腕を切り落とした。切断面から血が吹き出す。 「ちょおぉおおぉ!!」  炎に包まれた室内でまさか今ここで左腕を斬り落とすなんて誰が思うだろうか。  何を考えているんだと翠が驚いた顔のまま左腕に神力を流し止血する。  この雷煉と言う男。詩雲と比べて本当に何を考えているのか全く分からない。 「火がまわらないようにしてっから安心しろ。」  つまり時間停止しているということか。流石です時神様と今だけ讃えてやってもいいと言えばその時神様から拳骨を喰らった。 「女性に対して酷い!暴力反対!!」 「肉噛素手で触ってる時点で女じゃねぇよ。」  ララから既に女扱いをされないと言う現実を突きつけられた。男か女か分からない変態にだ。 「・・・俺よりも此奴を回復してやってくれ。」 雷煉が翠の回復を他の人に回す理由は肉噛の下りからなのだろうか分からないが、指さす方向には全身大火傷を負って倒れている雷軍の兵がいた。  雷煉の腕の止血はほぼほぼ止まっていたから直ぐに倒れている雷煉の部下の傍に寄り、回復術を施す。  彼の周りには西の民達が心配そうに見守っていた。
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