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「この人、俺達を護ってこんな事になったんだ・・・。」  牢屋から出してもらい、逃げていた時に北の内戦が始まった。御所内に居る者全ての抹殺を命じられた第一・二部隊と鉢合わせてしまい雷軍が護ってくれた。  西の民達も少ない妖力を使い共に戦ったが力の差が開きすぎたのだろう。戦った半数以上が殺られてしまった。  そして第一部隊の炎が戦えない妖達に向けられた時に彼が庇い全身に火傷を負ったとの事。 「・・・う"・・・。」  翠の回復術で身体の火傷が治ってきた彼が小さく呻く。薄らと目を開け治療する翠を見てゆっくり手を差し伸べようとする。 「じっとしてて。」  それを翠自らが制する。まだ治療中であると彼女は言う。翠が回復術を施している間に動ける者達は次々と来る敵兵の相手をする事となった。 「うっし!全員武器しまえ。肉弾戦で行くぞ。」  時間を操り神力封じをしたからと武装した相手に己の拳のみで戦えと・・・。 「こんな時にアンタいい加減にしなさいよ!!」  そして凱楽のおかん節が炸裂。 「俺、片手しかないんだけど。」  雷煉に至っては休んでいて欲しい。    こんな一大事に何ふざけているんだときっと誰もが思うだろう。これが万象四神南の蕃神である。  
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