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巨剣は徐々に灰色に変わり石のようになっていく。化け物との距離が近づいた時、凱楽は地面を蹴った。
化け物を斬る速さは音速かと思える程に速く化け物に一太刀を浴びせた。
再生をする前に斬り口から石化が始まりそれが体全体へと浸透し、あっという間に化け物は石になった。
倒したと思ったのもつかの間。
「おいおい。」
御所の屋根の上には同じ姿をした化け物達が飛び降り暴れている。
飼い主である白魔が居ない今、きっと無差別に誰かを襲ってるのだろう。
化け物達は闇神側の兵達が始末してくれると信じ、翠達は御所から出ていった。
「頭!」
外で隠れて待機をしていた地狐が「こっち!」だと、手招きをする。
ララ達が西の御所に行っている間に仲間の獣の妖達をかき集めていた。
「私達が幻術を使います。その間に隠れ家に戻ってください!」
地狐達妖はララ達の行方を晦ます為に妖術を使い大規模な幻を作り始める。
自分達以外の者達を迷わす為の幻術。森が動き、空は暗くなり、怪しい火の玉を浮上させ、空間を歪ませる。一見すると子供騙しにも見えるこの幻術だが、体力を消耗している者達には効果は抜群だろう。
それを広範囲にまで巡らせた。
「恩に着る。」
地狐達の好意を有難く受け止めララ達は隠れ家にと向かった。
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