ふたりはひとり

1/1
前へ
/10ページ
次へ

ふたりはひとり

「もう、泣かなくていいんだよ。」 涙がポロポロこぼれました。 苦しくて泣いてるんじゃない。 ふたりとも幸せな思いで泣いてるんだ。 そう思える瞬間でした。 ぼくは大きく息を吸い込みました。 そして大きな声でいいました。 「あーちゃんのそばにいつもいるからね。だって家族だもん。」 ポッカポッカの気持ちになっているぼくは、あーちゃんのそばからはなれたくありませんでした。 ふたりはだきあってうなずきました。 あーちゃんは言いました。 「もう、ぼく、一人ぼっちじゃないね。」             おわり。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加