藤ヶ谷琉目線の想い 悪魔に魂を捧げる

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その後、冴木が雫の居場所を俺のところと決めつけ会社に乗り込んできた。 「雫を返せ」と食ってかかってきた。 俺は自分の手元に雫がいるので、余裕の態度を見せた。 雫が俺の元にいる確証があるわけでもないため、冴木はその場を後にした。 俺は子供に愛情を感じられなかった。 雫さえ俺のそばにいてくれれば、子供の存在はどうでもよかった。 その俺の気持ちが雫に寂しい想いをさせていることなど、この時の俺は知る術はなかった。 雫は産婦人科の定期検診に俺に着いて来て欲しかったんだろう。 父親の自覚が無い俺は仕事を優先してしまった。 ところが冴木は次回の検診日を覚えていて産婦人科に雫を迎えに行ったのだった。 雫はまたしても冴木の元へ帰って行った。
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