第十三章 チビ助の成長

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「ただいま」 「お帰りなさい」 「峻助は?」 「もう寝ました、今日は疲れたみたいです」 「そうか」 私は山元さんから聞いた合併の話を思い切って峻に尋ねた。 峻の口から思いもよらぬ言葉が飛び出したのである。 「藤ヶ谷社長はいまだに独身を貫き通しているそうだ」 「そうなんですか」 「このままではあの会社は人手に渡ってしまう、だから冴木コーポレーションと合併して峻助に任せたいとの事だ」 琉がそんなことを考えていたなんて思っても見なかったことである。 「峻はどう思っていますか」 峻は少し考えて、口を開いた。 「俺は藤ヶ谷社長の意見に賛成した、共同経営者との事で、話を進めるつもりだ」 「そうですか、私はお仕事の事はわかりませんので、ただ私は峻についていくだけです」 「雫が賛成してくれてよかったよ、もし雫があいつを選んだのなら、今のあいつの立場は俺だったからな」 峻は私を引き寄せ抱きしめた。 二人の唇が数センチと近づいた時「ママ、おしっこ」と峻助が目を覚ました。 「ハイハイ、おトイレ行きましょう」 いつもこうだ、邪魔が入って雫をゆっくり抱けない。 でも峻助は可愛い、頭の回転がいいので将来が楽しみだ。
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