好きが嫌いに変わった理由

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 昔、保育士を志したほど、子供が好きだった。  この手で育てたかった。めいいっぱい可愛がりたかった。成長する姿を見守りたかった。――養子なんかじゃなく、血の繋がった実の子の。  そして何より、両親の期待を裏切ってしまったことが、申し訳なくて怖かった。  そして、ついに染谷(そめたに)の企業の重役たちから向けられる、奇異の眼差しに耐えきれず、私は今日、退職したのだった。
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