第十七章

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俺はこの時、再度静香にアタックをして、心を手に入れる覚悟を決めた。 次の休み、静香と翔太は近くのアパートに引っ越した。 「翔太、マンションへは勝手に出入りして大丈夫だからな」 「うん」 「翔太、これからはマンションへは行かないのよ、パパに迷惑かけられないから」 「参ったな、静香には、俺、すっかり嫌われちゃったな」 俺は敢えて落ち込んだ態度を見せた。 「そんな事ありません、嫌いだなんて」 静香は頬を真っ赤に染めて恥ずかしそうに俯いた。 すっかり嫌われたわけではないみたいだな。 俺はアタックを開始した。 静香の顔を覗き込んで「静香は可愛いな」と微笑んで見せた。 俺の行動に確かに意識していると確信した。 俺は次の日、仕事を早めに切り上げて、静香のアパートへ寄った。 「パパ、お仕事終わったの」 「ああ、だから飯食わして貰おうかなって思って」 「ママ、パパの分ある?」 「どうぞ」
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