320人が本棚に入れています
本棚に追加
/119ページ
俺はこの時、再度静香にアタックをして、心を手に入れる覚悟を決めた。
次の休み、静香と翔太は近くのアパートに引っ越した。
「翔太、マンションへは勝手に出入りして大丈夫だからな」
「うん」
「翔太、これからはマンションへは行かないのよ、パパに迷惑かけられないから」
「参ったな、静香には、俺、すっかり嫌われちゃったな」
俺は敢えて落ち込んだ態度を見せた。
「そんな事ありません、嫌いだなんて」
静香は頬を真っ赤に染めて恥ずかしそうに俯いた。
すっかり嫌われたわけではないみたいだな。
俺はアタックを開始した。
静香の顔を覗き込んで「静香は可愛いな」と微笑んで見せた。
俺の行動に確かに意識していると確信した。
俺は次の日、仕事を早めに切り上げて、静香のアパートへ寄った。
「パパ、お仕事終わったの」
「ああ、だから飯食わして貰おうかなって思って」
「ママ、パパの分ある?」
「どうぞ」
最初のコメントを投稿しよう!