第ニ章 

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早く忘れよう、今ならダメージも少なくて済む。 次の日、朝、頭が痛くて起きられない。 私は会社を休むことにした。 「本郷部長、おはようございます、申し訳ありませんが、今日は頭痛が酷くてお休みを頂きたいのですが、よろしくお願いします」 「大丈夫か、ゆっくり休め、今日は水曜日だから出社は来週からでいいぞ」 「ありがとうございます、そうさせて頂きます」 ああ、良かった。 真壁くんを嫌いなわけじゃない、彼の遊びに付き合う余裕がないだけ。 その頃、経理部では本郷部長から、私が今週いっぱい休む事が知らされた。 マジかよ、俺のせい? そんな矢先、俺は親父に呼ばれた。 「翔、お前、またアメリカに行ってくれないか」 「どう言う事だよ」 「アメリカの支社が人手不足で、お前に戻って欲しいとのことだ」 アメリカ、このままじゃ、静香と会えなくなる。 でも、静香にとって、俺はいない方がいい存在なのかもしれない。
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