第三章

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嬉しかった気持ちが表情に現れて、頬を染めた。 「先輩、本気にした?この俺がアラフォーの女を誘う訳ないだろう」 そこに安藤くんも現れて、私はまんまと騙された。 涙も出ない、自分の愚かさに嫌気がさした。 何も言葉が見つからない。 私はそのままアパートへ向かった。 部屋に入って、そこでやっと涙が出て来た。 グルになって私を騙した。 騙された私が愚かなんだ。 次の日、私は会社を休んだ。 起き上がる気力もない。 涙は既に枯れ果てた。 あの時の思いはもう二度としたくない。 真壁くんはどうなの? 私を騙そうとしているの? それとも私を本気で好きって思ってくれているの? 有給取ってアメリカ行って、本気にしたの?なんて言われたら、もう二度と立ち直れない。 もう傷つきたくない。 「アメリカにはいけません」 「そうか、そうだよな、急すぎるし」 「私がアメリカに行ったらご迷惑ではないですか」
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