第四章

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そうよ、これが現実、当たり前よ、真壁くんは若いんだから、彼女の一人や二人いたっておかしくない。 同じ経理部の先輩の相手をしてくれただけだから。 そうよ、のこのこアメリカまで来ちゃった私が悪い。 私はホテルに向かっていた。 一週間もどうしよう。 私はショックと疲れで眠りについた。 気がつくと、朝の五時半だった。 急にスマホが鳴った。 真壁くんからだった。 どうしよう、電話に出ないと心配するよね。 「はい、静香です」 「静香、寝てた?」 「えっ?あ、はい」 「そうか、珍しいな」 「だって、朝の五時半ですよ」 「えっ?」 しまった、私、日本にいるんだった。 「すみません、寝ぼけちゃって、こっちは九時くらいですよね」 「静香、今どこにいるの?」 「どこって、日本ですよ、日本」 「そうだよな」 「早くお仕事行ってください」 「まだ、大丈夫だよ」
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