第一章 

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でも、会場ではあんなに笑顔だったのに、全く別人のように真顔だ。 「静香先輩?大丈夫ですか?」 返事がない。 俺は車を停車させて、先輩の顔を覗き込んだ。 「静香先輩」 俺の呼びかけにびっくりした様子で、俺の顔を見つめた。 その表情が可愛くて、俺はつい、キスをした。 めっちゃ、最高の気分になり、興奮して舌を入れてしまった。 俺はその日の夜、全く寝付けなかった。 明日、会社に行って、静香先輩に謝らないと。 そして俺は朝早くから会社に出社した。 「おはよう、真壁、お前、昨日は静香先輩と消えて、そのあとどうしたんだよ」 「静香先輩にキスして舌入れた」 「おい、嘘だろ、抱いたのか?」 「そんなわけないだろう、突き飛ばされた」 「そりゃそうだろう、静香先輩は堅物で有名らしいぞ、唇に触れただけでも大変な事件なのに、舌入れただと、なんて羨ましいんだ」 「恋人はいるのかな」 「その辺がわからないんだよな」
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