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「俺、いい加減な気持ちでキスしたんじゃない、静香と結婚したいと思ってる」
嘘!何を言ってるの?
「あのう、私の方こそ、すみませんでした、大人気ない行動を取ってしまって、しかも突き飛ばすなんて、本当にすみませんでした」
「ああ、全然気にしてないよ、それより、俺と結婚を前提にお付き合いをお願いします」
そう言って、真壁くんは手を差し出した。
私が躊躇していると「静香は誰かのものか」と私をじっと見つめた。
誰かのもの?私は誰のものでもないけど、強いて言えば、あなたがファーストキスの相手ですって言いたかった、ファーストキスの相手と結婚するってずっと思っていた。
「返事はゆっくりで構わないけど、誰かのものにならないでくれ」
私は返事が出来ないでいた。
「静香、今晩食事行こう、もう絶対に静香がいいって言うまで、キスしたり、抱きしめたりしないと約束するから」
「仕事中ですから、もう経理部に戻りますよ」
静香は会議室を後にした。
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