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友だちだから大丈夫
ユニフォームやらスパイクやら荷物がパンパンに詰まったバッグを引きずって、オレはどうにか自分の部屋にたどり着いた。
高校の寮の、二年生は二階に上がって奥のほう。
いつもの倍以上重たい気がする扉のすき間にからだをねじ込んで、そのまま背中を預けてずるずると座りこんだ。
「純太ー?」
「…………」
部屋の奥からオレの名を呼んだのは、同級生でルームメイトの凌平だ。
凌平はそのまま歩み寄って来て、返事をしないオレに「そっか」とだけ呟いて、だらりと萎れた頭を大きな手でぽんぽんと撫でてくれた。
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