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あー、からだがあちこち痛い。
目が覚めたオレはまず何よりも先にそう思った。
一ミリでも動いたら錆びついたロボットみたいに節がギシギシと音を立てそうだ。
おまけにろくに働かない頭でぼんやりと天井を見つめていると、今度は現状がよく分からなくなってきた。
「あれー……オレいつ寝たんだっけ? 覚えてないんだけど……え、こわ」
朝を迎えていることは部屋の明るさから分かる。
昨日帰ってきて、それで……?
必死に思い返していると、少しずつ映像が浮かんできた。
昨日の試合はあとちょっとのところで負けてしまったけど、もっと時間が経てば褒めてあげられる部分もありそうな充実した試合だった気がする。
それでも負けは負けだ。
悔しくて、自分が腹立たしくて、身も心もボロボロになってここへ帰って来た。
そうだ、それで凌平がお疲れと言ってくれて、動けないのか動きたくないのか自分でもよく分からない状態だったところを大浴場へ連れていってくれたのだった。
おかげで遅くなってしまった夕飯も一緒に食べて――オレはろくに食べられなかったが――この部屋に戻って来て。
もう寝ろ、とベッドに押し込まれたのを思い出す。
頭を撫でられた途端、ものの一秒で気絶するように眠った気がする。
同級生たちがたまに母ちゃんみたいだと茶化すほどに、凌平はなにかと面倒見がいい。
それは相手がオレとなると更に拍車がかかることを自分でも自覚している。
どうやら昨日もまたそんな凌平に甘えきってしまったらしい。
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