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いつも共に笑って共に暮らしているこの部屋でするのは初めてで、オレはちいさく凌平に懺悔した。
ちゃんと後で換気もしなきゃな、なんてことまで考えて手に力を込めようとした、その時。
突然響いたガチャン、という音に、オレのからだは驚きのあまり飛び上がった。
「う、うわぁ!?」
「純太? どした?」
「お、おま、な、なんでか、かえ、」
「何で帰って来たって? ……ジョギング行って戻って来ただけだけど」
「は、ジョ……? は?」
「何そんな動揺し……あー……」
凌平が毎朝ジョギングをしていることくらい、オレはちゃんと知っている。
時計を見る気力すらなかったことが招いた悲劇だ。
ちゃんと確認さえしていればこんな格好で鉢合わせせずに済んだのに。
部活に行ったものだとばかり思いこんでしまった。
それでもどうにか誤魔化せてれば良かったのだけれど、隠すことすら忘れてしまった股間に凌平の視線がまじまじと向けられていて。
足元でぐしゃぐしゃになっていたタオルケットを手繰り寄せたところで後の祭りだ。
「もう〜マジかよぉ……オレもう生きてけない」
「大げさじゃね?」
「大げさじゃねーし……すげー恥ずかしい、ムリ、なーどうやったら凌平の記憶消せんの?」
「んー、それは無理だな」
「そこをなんとか! ……って、なんでこっち来んの!?」
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