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両手を合わせて願ってみても、水に流してもらえそうな気配は微塵もない。
言いふらすなんてことはしない奴だと分かっているが、凌平の脳みそに自分の痴態が残ることがオレは我慢ならなかった。
それなのに、凌平はあろうことかオレのベッドへとやって来て目の前にしゃがみ込む。
「そんなに恥ずかしいか?」
「っ、当たり前じゃん!」
「普通のことだし男同士だし。そんな気にすることなくね?」
「そういう問題じゃねぇよぉ。いくら友達でもこんなとこ見、」
「それよりさ」
「そ、それよりって何!? てかオレ今話してたけど!?」
「してやろっか?」
「し……は? え、な、なに? なにが?」
正直なところ、この現状にオレのそこはほぼほぼ萎えてしまった。
そのはずなのに、見上げてくる凌平の目が妙に熱っぽい気がして、それに引っ張られるように再び熱を持ちそうになっている。
なんでだよ、と自身にツッコミながら後ずさりしてみても、壁に挟まれていると強く実感するだけだ。
そして極めつけのしてやろっかのひと言を、オレは噛み砕くどころか一ミリも理解が出来なかった。
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