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テーブルの下というへんてこな場所で、凌平への想いを再確認する。
まだ怖いけど、何を話したらいいかすら分からないけど、凌平が部屋に戻ったらオレもすぐに行こう。
凌平の顔が見たいから。
そう決心しつつ、意外と続く四人の会話に耳を傾ける。
話題がオレなのはちょっと気まずいけど。
「純太に急用だった?」
「あー、いや。そういうわけじゃねえんだけど……」
「もしかして早く会いたい~、とか?」
おいタク、お前なに言ってんの。
冷やかすような言葉に驚いて、オレはタクの足を小突いた。
びくともしないのが悔しくて二発。
そんなこと聞かれたら凌平が困るに決まってんだろ!
そう思ったのに、意外な返事がオレのパンチを食い止める。
「まあ……そんなとこ」
え、凌平、今なんつった?
いや、昨日の電話で凌平も寂しいって言ってくれてたけど。
それを疑っていたわけじゃなくて、みんなの前で言うなんて思ってもみなかった。
きょとんと目を見開いたような顔をしてるんだろう、タクたちの反応が手に取るように分かる。
「ふたりって仲良いよね。よく純太が凌平くんの話してる」
「え?」
「はは、いつも嬉しそうだよ。凌平くんが褒められるとなぜか純太が鼻高々って感じだし」
「へえ……うわー、マジか」
「あれ? 凌平クーン、もしかして照れてない?」
「……こっち見ないでもらえると助かる」
「あはは! ほんとだ顔赤い!」
えー……何それ。
今の会話で勝手に暴露されて恥ずかしいのはオレじゃない!?
でも凌平は照れているらしくて、きっと顔を隠しているだろうにそれでも赤い頬が見えるとユウゴが笑っている。
オレも見たくて思わず飛び出したくなるのをグッと堪える。
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