それって最強-1

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 冷やかすな、とどうにか取り繕った凌平は、オレを部屋で待つと言って談話室の出口へと向かう。  この状況から脱せるとひとまず安心したし、オレもすぐに戻ろうと誓う。  けれどタクが凌平を引き止める。 「なあなあ、凌平クン」 「ん?」 「アイツ、アンタのことマジで気に入ってるみたいでさ。馬鹿だけどいいヤツだし、“うちの”純太のこと、よろしく頼むわ」 「…………アンタに言われなくても」  テーブルの下のオレにタクと凌平ふたりの表情は見えなくとも、どこか棘があるタクの口ぶりと、敏感にそれを拾う凌平に空気がピリつくのが分かる。  どちらともとそれなりの時間を過ごしてきたから。 「はは、凌平クン顔こっわ!」 「タク感じ悪すぎ、やめろ……凌平くんごめん、タクは純太のこと気にかけてるってだけなんだけど……言って聞かせとくから」 「はぁ? ショウお前は俺の母ちゃんか」 「ガキくさいことするからだろ」 「へえへえ、すみませんね」
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