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途端に始まるタクとショウの掛け合いに、引き止められていた凌平が少し笑う声が聞こえた。
それに空気が和んで、わだかまりも残らずに済みそうでオレもほっとする。
けれどそれも束の間になったのは、凌平がとんでもないひと言を告げたからだ。
「ショウ、だっけ。別に怒ってないし大丈夫、ありがとな」
「ほんと? よかった」
「お互い純太が大事ってのはソイツと同じだもんな。まあ、絶対負けないけど」
「……わお」
ええ、凌平、なにそこ張り合ってんの……オレだって、オレだって凌平を大事に想う気持ちは誰にも負けないけど!
でもそれは、凌平に恋をしていると気づいたオレだからで。
ぶわりと体温が上がった体を、ひゅうと口笛を吹いたユウゴのつま先がツンツンとつついてくる。
さっきから色んなことが起こりすぎていて、オレはそろそろキャパオーバーだ。
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