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「他人の手って気持ちいいぞ」
「……凌平もしてんの?」
「なにが?」
「その……抜き合、あっ」
タオルケットを奪われたその先に、またすっかり元気になってしまったそこが見えた。
咄嗟に足を閉じようとしたけど凌平に抑えられてしまう。
けれどその手に強引な力は微塵もない。
最後の決定権を委ねられているのだ。
だめだ、だめだ、分かっているのに。
その優しい手にもう全部預けてしまいたくなる。
「どうする、純太」
「っ、ほ、ほんとに……」
「ん?」
「ほんとに、ダチでそういうの、変じゃねえ?」
「ん、変じゃない。ただ抜くだけだし」
「あ……」
凌平の指先が先端に近づいて、ギリギリのところでピタリと止まる。
少しでもまた凌平が動けば、少しでもオレが震えれば当たってしまう。
もどかしさは興奮の材料になるばかりで、からだは更に熱を帯びる。
――ああ、もう。
誘惑に負けるのに時間はもう必要なかった。
「凌平……さ、触って」
「了解」
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