友だちだから大丈夫

8/14
前へ
/86ページ
次へ
「他人の手って気持ちいいぞ」 「……凌平もしてんの?」 「なにが?」 「その……抜き合、あっ」  タオルケットを奪われたその先に、またすっかり元気になってしまったそこが見えた。  咄嗟に足を閉じようとしたけど凌平に抑えられてしまう。  けれどその手に強引な力は微塵もない。  最後の決定権を委ねられているのだ。  だめだ、だめだ、分かっているのに。  その優しい手にもう全部預けてしまいたくなる。 「どうする、純太」 「っ、ほ、ほんとに……」 「ん?」 「ほんとに、ダチでそういうの、変じゃねえ?」 「ん、変じゃない。ただ抜くだけだし」 「あ……」  凌平の指先が先端に近づいて、ギリギリのところでピタリと止まる。  少しでもまた凌平が動けば、少しでもオレが震えれば当たってしまう。  もどかしさは興奮の材料になるばかりで、からだは更に熱を帯びる。  ――ああ、もう。  誘惑に負けるのに時間はもう必要なかった。 「凌平……さ、触って」 「了解」
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!

137人が本棚に入れています
本棚に追加