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私はスマホを必死でなぞりながら、期待に胸を膨らませていた。恋をすると、これを言ったら嫌われるかなとか面倒くさいことを考えてしまいがちだが、不思議と今の自分にそんな感情は湧き上がってこなかった。
『初めましてレンさん。いいねとメッセージありがとうございます。レンさんとはとても気が合いそうで、わくわくしています。レンさんもバッドエンドの恋愛ものは好きですか?』
レンさんからメッセージを受け取った一時間後。時間としてはちょうど良いくらいだろう。彼もちょうど一時間後に返信してきた。
『そうですね。正直、恋愛ものは苦手の後ろにバッドエンドは除くって書こうか迷ったくらいでした。夢物語ではなくリアリティがある感じ、好きなんですよね』
まるで私の気持ちを代弁しているかのような文章に、踊ってしまいたいくらいだった。
『私と全く同じこと考えていて、驚かされました。レンさんってちなみに休日は何されているんですか?』
ここで、実はサッカーが趣味でとか言われたら興ざめする。私は華やかな世界の人に苦手意識を持ってしまいがちで、どうにかそちら側ではいてほしくないと願っていた。顔写真を載せていない時点で、自分に自信のない感じがするけどな……。そう思いながらも、想いを寄せる相手が自分の理想通りであることを願っていた。
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