1/3
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ

 無垢、という言葉が表すのは、こんなやつの事だろうと、一目見て思った。  まだ小学生みたいな体軀に、あどけない顔の輪郭、白い肌。細い頸筋(くびすじ)。  けれども、遙か遠くまで見据えているような、切れ長の眼。  その瞳の真っ直ぐさ。  折れたことも曲がったこともない心の持ち主のような。  何ものの色にも染められない輝き。  彼のそばには、自分の知らない光がある。  だから、ただ少し、いじってみたくなっただけなのだ。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!