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嘘
無垢、という言葉が表すのは、こんなやつの事だろうと、一目見て思った。
まだ小学生みたいな体軀に、あどけない顔の輪郭、白い肌。細い頸筋。
けれども、遙か遠くまで見据えているような、切れ長の眼。
その瞳の真っ直ぐさ。
折れたことも曲がったこともない心の持ち主のような。
何ものの色にも染められない輝き。
彼のそばには、自分の知らない光がある。
だから、ただ少し、いじってみたくなっただけなのだ。
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