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国内製薬会社は伊尾製薬が断トツの最大手であり、その他2社とのトップ3はもう半世紀も不動だ。 4番手、5番手、6番手が毎年混戦状態の3社であるが、そのうち小野田製薬は一般家庭に常備薬として置かれることの多い風邪薬で名が知れている。対して、他の2社は処方薬として扱われている薬で売り上げを上げている。 また今年も小野田製薬の風邪薬CMがテレビから流れてくる季節になった。 「このコマーシャルの女優さん、変わったんやね」 「お母さん、知らんの?この人、モデル」 「知らんけど‘くしゅん’ってわざとらしいくしゃみが可愛いやん」 「エルっていうモデルや。Sofficeのモデルやめたと思ったら薬のCMかぁ」 こんな会話が全国の家庭で繰り広げられることとなり、今年も小野田製薬の認知度は上々だ。 その小野田製薬社長には二人の娘がいた。1歳違いの綾と鈴はとてもよく似た顔立ちで、二人が成長した高校生くらいから‘双子?’と聞かれたことが何度かある。まぶたは一重だが目が大きいため、全く重たさは目立たない。黒目も大きく、可愛い印象が強い一重美人で吉高由○子似の姉妹。 姉、綾は小野田製薬本社秘書課勤務4年目、妹、鈴は京葉エリア千葉県内にある小野田製薬工場内総務課勤務3年目だ。
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