プロローグ*身代わり

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「何してるんだ?」 「すいません…」 「世話の焼ける女だな…」 「・・・すいません…一言貴方にお礼が言いたくて…」 「礼?別に…たかがコーヒー代位で…礼なんて要らない…」 「でも・・・言いたくて…」 「くだらない…俺は帰るぞ」 「あ、はい…」 相馬さんは私の手を離して、今度こそ帰って行った。 私は彼がホテルの外に出るまで、ジッと見送った。 「麻友」 「お姉様…」 「相馬さんは?」 「帰りました…彼…私達のドリンク代奢ってくれましたよ…」 「彼、何て言ってた?」 「別に…ちゃんと承諾してくれました。でも、父と母には私達の方から話しておいてくれと言われました」 「・・・怒るのは無理ないと思ったけど…あんなにキレる事ないのにね」
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