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彼との出逢いは六年前に遡る。
私は駅のホームで突然立ち眩みを起こして、そのままホーム下に転落した。
転落した私を勇敢にもホームから降りて、抱き上げて救ってくれたのが相馬さんだった。
私は何度か瞬きを繰り返して、意識を戻した。
「気が付いた?」
微睡の中で聞こえる優しいテノールボイス。
輪郭はぼやけて見えるけど整った顔立ちだった。
意識を戻すと病院のベットで寝ていた。
「君は駅のホームから転落して、俺や周りに居た人達の力を借りて、ホームから救い上げて、この病院に緊急搬送された」
「・・・」
「看護師さん、彼女意識を戻しました。診察をお願いします」
彼は近くの看護師に声を掛け、医師の診察を頼んだ。
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